手足のしびれ

手足のしびれとは

しびれには、「運動麻痺」と「感覚の異常」の2種類あります。
運動麻痺は、手足に力が入りにくくなるようなしびれで、感覚の異常とは、正座のあとのようなジンジンするようなしびれです。どちらかのみが起こる場合と、両方が同時に起こる場合があります。
運動麻痺は、脳から手足を動かす命令を伝える運動神経の経路に障害が起こり、手足の筋肉に力が入らなくなることで起こります。感覚の異常は、手足の感覚を脳に伝える神経の経路に障害が起こって生じます。
しびれには、緊急性の高い疾患が隠れていることもあるため、注意が必要です。

しびれはどこから発生しているの?

しびれた時の症状チェックしましょう

しびれはどこから発生しているの?しびれる部位、時間、特徴などにより、原因となるものを特定するために役立ちます。

1. どの部位がしびれるのか?

手先、指先、腕、足など

2. どのような時、しびれるか?

起床時、空腹時、運動時、食後、休息時など

3. どのような、しびれ方をしているのか?

ピリッと電流が流れるような感じ、力が入らないような感覚が鈍ったような感じ、ジンジンするなど

4. しびれる部位に特徴はないか?

左右対称である、末端だけに起こるなど

しびれに対する表現や感じ方は人によって様々です

人によってしびれの感じ方は様々です。人によっては、しびれに加えて痛みに感じる場合があります。

  • しびれに対する表現や感じ方は人によって様々ですジンジンしている
  • ピリピリしている
  • 熱を帯びている感じ
  • 痛みを感じにくい、感覚が低下している
  • 動きが悪い、動かない
  • 力が入りにくい

手足のしびれの主な原因

しびれの原因として、以下のようなものが挙げられます。

  • 手根管症候群など、神経の圧迫によるもの
  • 血管の問題、血流の悪化
  • 神経伝達にかかわる代謝の異常
  • 炎症
  • 薬の副作用

糖尿病により手足のしびれが発生する事があります

糖尿病でしびれが起こるのは、主に以下の2点が要因になっています。

  1. 高血糖によって血管が傷むことで血流が低下し、末梢神経に栄養・酸素が供給されないため
  2. 糖による代謝産物の過多・高血糖による細胞レベルのダメージによって神経が障害されるため

糖尿病神経障害とは

糖尿病の合併症は様々ありますが、その中でも「糖尿病性神経障害」「糖尿病網膜症」「糖尿病腎症」は3大合併症と言われています。
その中でも「糖尿病性神経障害」は最も早期から起こる合併症で、手足の先に痛みをともなうことがあります。
糖尿病患者が手足に違和感やしびれるような痛みを感じる場合、糖尿病性神経障害にともなう症状である可能性が高いため、注意が必要です。

原因

糖尿病性神経障害がなぜ起こるかは、まだ解明されていません。
高血糖の状態が続くと、痺れを起こす物質が神経細胞に蓄積し神経障害が起こると言われています。また、高血糖によって毛細血管の血流が悪くなるため、神経細胞に必要な酸素や栄養が不足するためではないかと言われています。

症状

末梢神経がダメージを受ける糖尿病性神経障害では、痛みやしびれなどの合併症を生じることが多いです。
初めは、脚の指や脚の裏に「ぴりぴり」「じんじん」といった痛みやしびれるような痛みが生じ、進行すると手指にも痛みやしびれるような痛みが現れるようになります。
さらに神経障害が進行すると、次第に神経は働きを失っていくため、痛みや痺れを感じにくくなり、感覚が鈍くなります。感覚が鈍くなると傷を負っても気づきにくく、そこから細菌に感染して細胞が壊死してしまい、壊死部位の切断をしなくてはならない可能性もあります。そういった可能性を減らすためにも、糖尿病の神経障害は早期に発見・治療するのが重要です。

治療

糖尿病性神経障害の治療は、食事や運動、薬などで血糖をコントロールすることが基本です。痛みやしびれを和らげる治療も行います。急激に血糖を低下させることで痛みが生じることがあるため、血糖を徐々に下げるなど、注意しながら治療を行っていきます。

薬物療法

症状似合わせて鎮痛薬や三還系抗うつ薬、プレガバリン、デュロキセチンなどを使用します。

予防

糖尿病性神経障害の予防で最も大切なことは、適正な血糖コントロールです。糖尿病の疑いや診断をされた場合、また健康診断などで指摘された場合は、放置せずに、早めに医療機関に受診するようにしましょう。
血糖値や症状を診ながら、早期に治療を行うことが合併症の予防に繋がります。

当院の手足のしびれについて検査

たわ内科・内視鏡クリニックでは、問診やABI(足関節上腕血圧比)検査、血液検査を行い、手足のしびれの検査を行います。

問診

まずは問診で手足のしびれの状態を確認していきます。
手足がジンジンする・ピリピリする、足の裏に紙が張り付いたような感覚がある、といった症状が現れることが多いです。また糖尿病の場合、多くは左右対称的に、手よりも先に足に症状が現われます。症状は緩やかに進行していきます。
アキレス腱反射や、触覚、振動覚を調べる検査を行うこともあります。

ABI(足関節上腕血圧比)検査

足と上腕の血圧を測定し、手よりも動脈硬化の進行しやすい足の血管が細くなっていないかを判断します。

血液検査

血糖値やHbA1cなど、糖尿病の診断のため採血を行います。
血糖値を調べることは治療するうえで欠かせない検査となります。

手足のしびれ・痛みを感じにくい方へ

血糖値が高い方や糖尿病の治療を中断・放置してしまう方の中には、「しびれがなくなった」「しびれ痛みを感じにくくなった」ことを、症状が良くなったと捉えてしまう方がおられます。しかし、症状が良くなったのではなく、糖尿病合併症が進行しておりとても危険な状態と言えるのです。そのまま放置していると、傷ができても気づくことができず、傷口から細菌が侵入して壊死しても痛みを感じないため、組織が腐ってしまいます。このように症状が悪化し、下肢を切断しないといけなくなるケースは少なくありません。
手足の痺れや痛みを感じにくくなったことに気づいた時は、お早めに当院へご相談ください。
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